中村哲さんの活動されたペシャワールで出会った楽器ラバーブ とは

こんにちはTokyo modal music labのウエダです。この記事を書いてる12月4日、アフガニスタンで支援活動の末に亡くなられた
中村哲さんの命日なのでかつて中村さんが活動を始められたペシャワールに訪れて出会った楽器
ラバーブについて深堀りしますね。

 

ペシャワールで世界最古の弦楽器ラバーブ

政情不安定で危険なイメージのこの地域は
アフガニスタンとパキスタンの国境、トライバルエリア(部族支配地域)あり政府のコントロールがしにくい地域です。
実際私は2019年の2月と9月に
2回連続で訪れてみたのですが
意外なことに、地元の人々はとても親切で人懐っこく
あたたかく迎えてくれました。

大半の方は親切なのですが、私が渡航する2019年2月の3週間ほど前にも
街でテロ事件が発生して、民間人が犠牲になったので
やはり、政情不安定ではありました。
そのあと、中村さんがアフガニスタン側で活動されているときに
亡くなられたという経緯になります。

かつてのガンダーラの都、ペシャワール

このあたり、アフガニスタンとパキスタンの間にある地域は
かつてガンダーラ地方と呼ばれていました。
皆さんも、なんとなくその地名を聞いたことがあるのではないでしょうか?

かつて2000年以上前、アレクサンダーの軍隊が訪れたこの地にギリシャ風の文化が根付き写実的な彫刻の技術をもった彼らは
ガンダーラ美術を発達させました。
え?そんな昔?よくわかんないかもしれないですが
日本が縄文時代の頃、
ここでは上下水道が整備された都市で
物々交換ではなく、貨幣経済(お金が流通してる)の社会だったんです。
よーするに、めちゃくちゃ昔から洗練された都市文明があったってことなんですね。

その頃、2000年くらい前に彫られたレリーフに弦楽器ラバーブがあります、今では、リュート系弦楽器といえば
バイオリンやギターなど西洋楽器がメジャーですが
ラバーブはバイオリンが発明される1400年ほど前からこの地にあったので、驚きですよね。。。。

 ラバーブは音楽理論をめちゃカンタンに学べる理由

ラバーブには
たくさんの弦がついてるので
難しそうに見えますが
合計20本もありますが、、、
実は意外に、シンプルな構造です。

  • メインの弦  3本
  • ドローン弦  3本
  • 共鳴弦    14本

こんな感じで
実際によく弾くのはメインの弦3つなんです。
皮張りだし、3本だし、なんとなく沖縄三味線みたいな感じですかね。
はい、そうなんです
私は沖縄三味線を西表島にいたときに習っていたのですが,その時の技法がそのまま転用できました。
なので、
たくさんの弦をいっぺんに抑えなきゃいけないような楽器、ギターやウクレレよりもこの点は難易度が低いといえるでしょう。

共鳴弦は
その時に使う音階に合わせて
セットします。
そのため音階のシステムが可視化されて
ギターなんかよりずーっと音楽理論が学びやすい構造になっています。
エキゾチック、明るい、暗い、あやしい音階など
そのときに応じて共鳴弦をセットするので、とてもわかりやすいんです。

ラバーブってどこで入手できるの?

ここまで読んだ方は
いくらくらいするのかなあと気になるかもなので
ラバーブの値段や入手方法についてお話ししますね

実は日本語でラバーブと検索したら
ネットショップがいくつかあるので購入することはできます。
でも大抵の日本語サイトで出てくるラバーブはインド製なんです。。。
インド製品をディスるつもりはありません。
でもラバーブは、アフガニスタンとパキスタンのトライバルエリアの民族楽器なのでできれば、現地から購入したほうがいいです。

  • 初級クラス  3万円くらい
  • 中級クラス  5~7万円くらい
  • 上級クラス  10~12万円くらい

私はパキスタンにいる、提携している友人から
ラバーブを生徒さん用に購入してますが
大体の値段はこんな感じです。

 
 
 
 
 
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楽器のリペアや弦の交換などは
クラフトの仕事に携わった経験も長いのでこちらでやるようにしてます。
高い、安いの感覚は個人差があると思いますが
美しいラバーブの木工細工の仕事には
膨大な時間と技術がかかってます
ほんとは現地を訪れて購入がいいのですが、今はいろんな意味で渡航が難しい状況なので
私も郵送してもらうようにしてます。
ラバーブを触ってみたい、弾いてみたいという方は
現在、無料体験レッスンやってますので、連絡いただいても大丈夫です。

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