トルコのスーフィ音楽コンサートをやってみた結果

こんにちはTokyo modal music labのウエダタカユキです
2021/10/24 東京にある日本最大のモスク
東京ジャーミイ・トルコ文化センターの協力と
文化庁の支援をうけ、私たちの団体の主催により
トルコのスーフィ音楽のコンサートを開催しました。

海外メデイア(Diyanet Haber)より引用

オスマン古典楽曲、トルコの民謡とともに
トルコ語の聖歌Ilahi(イラーヒ)を
モスクのイマームであるリファット氏に参加いただき
ニュースでも取り上げられたように
熱心に聴いていただいた日本のお客さまにも好評いただきました。
トルコのスーフィ音楽には
西洋音楽にはない魅力と深淵な世界があります。そのほんの一部でしたが、少しでも日本のみなさまと共有できたことに感謝です🙇

感情から解脱する音楽とは

で、スーフィ音楽っていったいなんなの?
というお声が聞こえてきそうなので、ちょこっと紹介しますね。

私たちが、普段耳にするような音楽のほとんどは西洋音楽の強い影響をうけて、コードやハーモニーによって日常の感情と結びつきやすく
構成されています。

なので、なーんの予備知識もなく
こうした音楽を聴くと、どう味わっていいのかな?
食べたことない料理をいただいた時みたいに困惑しちゃうかもしれないので
なので演奏のときには、聴きどころなども解説するようにしています。

トルコの音楽や東洋の音楽には
西洋音楽の影響を受けたものも、もちろんありますが
その根底にあるのは、エンタメ性だけではなく
日々の暮らしの中でつむぎ出されたリズムから
長い歴史の中ではぐくまれた独特の音と使い方(マカーム)に基づく
日常の感情をこえて、東洋人としての私たちのこころの深い部分にアクセスするような音楽が受け継がれてます。

ここで有名なスーフィ詩人
ジャラール・ウッディーン・ルーミーの詩をご紹介しますね

かつて哲学者は言った
音楽は天体の回転から受け取ったものだと
喉やリュートで鳴らすメロデイは
球体の回転する音であると。

信じるものは、かつて楽園で聴いた音を
アダムの子孫である私たちは楽園で聴いたメロデイを音楽の中に見出す。

精神的マスナヴィー4-733

以上はザックリとした翻訳ですが
いかがでしょう?
音楽に対する、とらえ方が
ポピュラー音楽とも西洋クラシックともずいぶん違うな、、、
というのがわかるとおもいます。

メヴラーナ13世紀の人、
日本でいうと鎌倉時代くらいの中世にあたります
このころから中東オリエント世界には
音楽を重要視する考えがあったことがわかりますが
西洋においても19世紀の哲学者ショーペンハウアーがこんな言葉を遺しています。

音楽は人生の神秘への答えである。音楽は芸術の中でもっとも深遠なものであり、人生へのもっとも奥深い洞察である

ショーペンハウアー 【意志と表象としての世界】第4章より

音楽は演奏が終わったら
消えてなくなる
カタチに残らない存在だからこそ、
価値があるというのは
私たちも今回のスーフィ音楽コンサートを企画してみて
感じることができました。

音楽の修練には時間がかかります。  
ひとつの楽器のスキルを中級レベルまで
演奏できるまで向上させるまでは
おそよ1000時間
毎日1時間の修練で3年くらいかかります。

時間や労力はかかるけど
ながい人生100年の時代
たった2、3年で
メヴラーナがいうような天球からうけとったメロデイを体感する境地に至るような経験ができるとしたら、コスパは悪くないかもしれないですよね。Tokyo modal music labでは演奏活動とともにレッスンなども開催してますのでご興味ある方は、体験もできます😌





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