イスラム教徒は異教徒と結婚できないの? コーカサス民謡にみる現実とは

こんにちはTokyo modal music labのウエダタカユキです。
今日はコーカサス民謡にみるイスラムの結婚観ということで
実際にトルコで親しまれている民謡をモチーフに
深堀りしていきましょう。

 

私たちもよく演奏するSari gelin 👰‍♂️ (金髪の乙女)は
トルコやコーカサス地方のほかの地域アゼルバイジャンやアルメニアなどでも親しまれている民謡です。

民謡に勝るものはない。その土地の民謡を知ることは、そこの人々と知り合うための最良の方法である。

民族音楽学者コダーイの言葉

ということで、英語版wikipediaでリサーチするとこのようにあります↓

In Azerbaijan, Sarı Gəlin (Blond Maiden) is a legend that symbolizes the love between a Muslim Azerbaijani and a Christian Kipchak girl who are kept apart.
アゼルバイジャンでは、イスラム教徒のアゼルバイジャン人とキリスト教徒のキプチャク人の少女の愛を象徴する伝説Sarı Gəlin(金髪の乙女)」があります

Erzurum çarşı Pazar,
leylim aman! aman!
sarı gelin.エルズルムの市場で見かけた人ああ、金髪の花嫁よ
İçinde bir kız gezer,
ay! nenen ölsün, その娘が街を歩くああ、おばあちゃんなんて死んでしまえばいいのに。。
sarı gelin aman!
suna yarim.
黄色い花嫁よ
Elinde divit kalem,
leylim aman! aman!
紙とインク、ペンを手にああ、黄色い花嫁よ
Dertlere derman yazar,
Katlime ferman yazar,
彼女は私の痛みの処方箋を書きその言葉は私を暗殺する
ay! nenen ölsün, Sarı gelin aman! suna yarim
ああ、おばあちゃんなんて死んでしまえばいいのに。黄色い花嫁よ

Wikipedia Sari gelin

直訳すると
かなりショッキングな内容なのですが😭
コーカサス周辺には
いまでも
イスラム教の国とキリスト教の国が
混在しているので
昔から、このようなことは
あったのかもしれないですね。

イスラム教は異教徒の結婚ほんとにだめなの?
  • キリスト教、ユダヤ教とはOK
  • 多神教(仏教など)とはダメ
  • 結婚前に改宗すればOK

 

このように実はおおくの場合、イスラームでは
ユダヤ教、キリスト教徒との結婚
認められています
それじゃあ、なんでこの歌では
ダメだったの?

原則的にはOKでも
やはり、習慣や言語の違う民族との結婚は
現実問題として難しかったのでしょう。

今、日本の皇室の結婚のことでも
大きなニュースになってますよね
法的には問題ない結婚でも
やはり育った家柄
あまりにおおきな違いになることは、今も昔も
どこの世界でも共通することなんですね。

ムスリムが多神教の人とは結婚できない理由

ちなみに、イスラームでは
多神教の人(ユダヤ教、キリスト教以外)の結婚は
聖典コーランの中でも禁止されている
箇所があります。

 

多神教の女とは結婚してはならない
聖典コーラン2:221

つまり、ムスリムとフツーの日本人(仏教、神道系)とは
原則的には結婚許されないということですね。
ただコーランの解釈には
十分に注意する必要があります。
翻訳をパッとみたからといって
早とちりは危険です。

なぜなら
翻訳はあくまでもひとつの角度からの解釈にすぎないのです。
ほんとうの意味をよく理解するためには所属している
学派の公式な見解やイスラムの専門家の方にも相談しましょう。

Sari gelinコーカサス民謡の譜面

ということで
音楽家としての立場から
譜面も用意しました。
実はトルコには
もうひとつまったく別のリズムパターン10拍子Sari gelinもあるのですが
今回は冒頭でご紹介した音源に基づいてフツーの譜面をつくりました。
どんな楽器でも親しみやすい
すばらしいメロデイなので
どうぞ使ってくださいませ。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です