寿司桶にヤギの皮をはったシンプルな
フレイムドラムBendirはダフともよばれて

中石器時代の洞窟画や
古代ギリシャやさらに古い時代の
アッシリア帝国のレリーフにも描かれている
有史以前にもさかのぼるような
起源の古い楽器です。

その簡素ながら
力強い低音は

中東古楽器の繊細で優美な音世界に
寄り添うように加えられ
アンサンブルの中でもとても重要な役割を果たしてます。

ユーラシア、アメリカ大陸の先住民族においては
儀式においてヒーリングにおいても使われ

アイリッシュ音楽ではバウロンとよばれ
ジングルがついたものはタンバリンになり
ブラジルにいってパンデイロになり

世界中で古今を問わず使われているので
この楽器の汎用性の高さを知ることができます。

中東の打楽器というとダラブッカを連想するかもしれませんが

伝統弦楽器の多くは西洋楽器などに比べて

音量は小さいものの
音質は豊かで繊細なので

音量と音質ともにバランスのよいフレイムドラムが
伴奏楽器として最適な理由のひとつになります。

驚いたことに

北アフリカ諸国を旅していると

Bendirは楽器店だけではなく
植木鉢やフルイを販売しているお店に
無造作に置かれているのを目にしたことがあります。

有史以前から使われてきたこの楽器が
今でも暮らしに近いところで受け継がれているのは
大変興味深いことです。

スワラジ民族音楽ラボの録音で使用している
Bendirはリビアで出会ったものを
皮を張り替えて使っています

とてもシンプルな構造なので
メンテナンスも簡単
メロデイ楽器を専門とする奏者においても

リズムの仕組みを理解する上で
最適な楽器といえるでしょう。