こんにちはTokyo modal music labで
ラバーブを担当してるウエダタカユキです。
かつて宮崎駿さんは風の谷のイメージを【中央アジアの乾燥地帯なんです】
とCOMIC BOX 1984年5・6月号 で語られました。
アフガニスタンやパキスタン北西部は中央アジア文化圏にあり、今の西洋楽器バイオリンやギターに代表されるようなリュート系弦楽器のルーツとされています。
その証拠に、ヨーロッパで弦楽器が発達する1000年以上も前からかつてガンダーラと呼ばれたアフガニスタンやパキスタンにはラバーブという民族楽器がありました。
そして、それは決して過去のものじゃなくて
今でも、大切に受け継がれています。
いかにもエキゾチックなフォルムの不思議な楽器ラバーブはギターやウクレレなどとは比較にならないくらいの夢心地に誘うような、深い残響音(リバーブ)があります。今の時代、マイクとかエフェクトでリバーブなんて
簡単につけれちゃうかもですが。
13本の共鳴弦とアフガニスタンの風雪に耐えた
硬いマルベリーの木をくり抜いたラバーブの響きはマイクや電気で音を拡張しないほうが、繊細で優美な響きを感じることができます。
弦がたくさんあって、複雑そうかもですが
ギターなんかと違って、たくさんの弦をいっぺんに抑えなきゃいけないコードがないので誰でもカンタンにシルクロードの夢みたいな音が出せちゃいます。
モード音楽に基づいた深淵なラバーブの音世界
誰でも、カンタンならすぐ飽きちゃいそう?かもですが
ラバーブで弾くような、音楽は音楽療法とも結びつくなど数千年、中東や中央アジアで育まれたモード音楽の伝統の上にあり決して飽きることがない、人生100年の時代にじっくり長くつきあえる楽器と言えるでしょう。
ナウシカのテーマでは即興演奏をいれましたラバーブでは定められたモードの中で
自由に音世界を構築する喜びが味わえます。よーするに、即興的にやる時でもめちゃくちゃテキトーにやるのではなくある一定のモード、法則に従って音を紡ぎ出すんですね。
お日様が登り、そして暮れるまで
月が満ちて欠けていく軌道
世界は不思議な法則性に満ちていますよね。
音楽もこれと同じく、ある一定の法則性を持って演奏されます、これをモードやマカーム、ラーガになります。
天体の動きと暮らしと音楽
ナウシカで、私が即興ではさんだモードは
バイラヴィと呼ばれる、朝に最適なモードと呼ばれます。
Raga Bhairavi is often referred to as the king of morning Ragas. It produces a rich atmosphere. ラーガ・バイラヴィは、しばしば朝のラーガの王さまと呼ばれる豊かな雰囲気を醸し出している。
wikipedia raga Bhairaviより引用
ラーガのようなモード音楽は
1日のうち、効果的な時間帯などがあり
天体の動き、人間の暮らしに連動しているとされています。
イスラムの礼拝のよびかけ、アザーンも同じようなシステム、マカームと呼ばれる法則性に基づいて、人々の心にそっと語りかけています。
こうした音の使い方は西洋音楽にはあまりない側面ですよね、うれしいとか悲しいとか人間の感情に結びつきやすい
現代の音楽とはずいぶん違ったコンセプトですが、モード音楽にはマインドフルネスの重要性が再発見される、今の世の中に人としての営みの真理を問い続けることができるような学びのメソッドに溢れています。こうしたことから、ラバーブの基づいた
音楽世界は単なるエンタメだけではなく、深い伝統に根ざした一生学び続けることができるような深淵な世界がラバーブを通じて体験できるのがわかったと思います。
うーん、そうは言ってもなんだか難しそう。。。。
音楽経験とかないし、できるかな
と思うかもですが冒頭に話したように、
主に3弦しか弾かないラバーブは
誰でもカンタンに美しい夢みたいな音が鳴らせちゃうので
長い人生でチャレンジしてみるのもアリかもです。
現在、無料体験レッスンもやってますので
お気軽にご相談くださいませ🙇♂️
ナウシカの譜面はこちらから無料ダウンロードできます。