アフガニスタンやインド音楽のラーガ、中東のマカーム音楽だけじゃなくポピュラー音楽に至るまで、このコンセプトを理解すれば、即興演奏のみならず作曲にも簡単に応用できます。
なので、最後までじっくりみて、実践してみてくださいね、驚くほどシンプルな理論です。
即興演奏の手順は3つだけ
いきなり結論を言うと、これだけなんです。
根っこの音(トニック)からの幅、距離を感じて、イメージしながら弾いてみるだけです。なのでやることは、いたってシンプル。
①根っこ(トニック)を探す
②音階をさだめる
③まずは根っこ音からはじめる
この手順でわかりやすく解説していきますね。
1.まずは根っこ(トニック)を探すよ
モーダル音楽では、基軸音(トニック)が演奏の起点となります。これをキー(鍵)ともいいます。なのでまず、キーにあたるモードにおける根っこ音を特定します。
といってもそんなに難しいことじゃなく、だいたい曲の初めか終わりの音がキーの音、根っこの音なんですよね。なので、終わりの音に着目すればだいたいOKです。
itablaアプリだとミヨーン音のTanpuraが根っこになります。
2.音階をさだめる(根っこからの距離が大切)
これは、ラーガ・ヤマンでも使う音を西洋譜面でかいたものです、
英語だとC lydianっていうんです。 リディアンモードっていったりもします。 その昔、今のトルコ(アナトリア半島)がギリシャ世界だったころ、世界ではじめてコインを使用したリディアって国があったのが由来といわれてます。
古代においては、ギリシャ世界とオリエント世界はアレクサンダーやペルシャ帝国の領土拡大もあり、共通していた時期があるので、このように音楽理論においても、西洋モードと中東〜南アジアの音楽モードに共通点があるのかもしれないですね。
度数 1 2 3 4 5 6 7 1
発音 サレガマパダニサ
度数とは、根っこからの距離をさします。この度数こそがめちゃ重要です。
よーするに度数とは、トニックからの音の幅なんです。これによって留まっている音、鳴らしてる音が今どこにいるのか示してくれます。 まるでグーグルマップの自分の位置みたいな感じなんです。
サレガマを声にだしてみよう
12345671でカウントする度数はめちゃ便利ですが、ひとつ大きな欠点があります。それは発音しにくいこと、歌いにくいこと、その欠点をカバーしてくれるのがサレガマなんです。 なので、声に出すことがとても大切です。
アフガニスタン音楽もそうですが、南アジアの音楽は譜面ではなく口伝などで受け継がれてきたために、人が発音しやすい音で音符を表しているんですね。
3.根っこ音から感じてみよう
音階はわかったけど、この材料でどうやって音世界を構築すればいいのかわからないよーって思うかもですが、そんなに難しいことをする必要はありません。製図をするとき、建物を作るときも、まずは垂直軸を決めてからつくりますよね。 なのではじめは、1度(サ)の音を軸に深い呼吸で口づさみながら味わってみましょう。まずは準備体操からはじめましょう。
ヨガの前の深い呼吸でマントラを唱えるようにやってみましょう。
①まずはサで深呼吸
②サ→ニ
③サ→ニ→レ→サ
④ニ→レ→ガ
⑤ガ→レ→サ
⑥サ→ニ→サ
⑦ニ→レ→ガ→マ
⑧レ→ガ→ニ
⑨ニ→レ→サ
⓾ニ→レ→ガ→マ→ダ→パ
⑪パ→マ→ガ→レ→サ
唄のこぶし、みたいな感じで装飾的な細かい音も演奏時にはとっても大切です。
ガ→レ→サみたいにシンプルに3度から1度にもどるフレーズでも、美しく滑らかに、呼吸をもって描くようにすると雰囲気がでます。
どの楽器にも転用できる即興音楽の理論
モード音楽において、即興はめちゃくちゃ需要です。
応用できる、転用できるモードの法則性を理解してないと、即興はできないからです。 一度わかっちゃえば、どんな楽器にも転用できて、どんなキー(調)にも応用できます。 100曲できても、即興ができないのは、こうした理論がわかってないからなんですね。 それだとかなりもったいないですよね。 ここまで読んだ方は、いますぐどの楽器でもいいので実践してみてくださいね。 わからないところは、レッスンでなんでも聞いてくださいね。
☝️ほぼ音楽のことメインのラジオ📻ポッドキャストもあわせて聞くとメリット大きくなります。