こんにちはTokyo modal music labでラバーブ担当のウエダです。
ラバーブを弾くためには、2つの道があります
①マルチ楽器の中でのラバーブ奏法 ②伝統的な方法でのラバーブ奏法
私はバークリー音楽院で基本的なモード音楽の理論を学んだので
こちらでは基本的に①を教えています。
この方法は、弦楽器の経験がある方や音楽経験がある方ならそんなに難しくないです。事実、私はラバーブを手にした6年前、すぐに作曲した作品にラバーブを導入しました。
伝統を学ぶ重要性は
それでも、ラバーブには深い伝統があります、
なんちゃって奏法には限界があります。
伝統を学ぶことで、ラバーブのポテンシャルが最大限に発揮できます。
そこで今回はラバーブの伝統的な音符表記の方法について、
アメリカ在住のアフガニスタン人Ustad Homayoun Sakhi先生に習った資料から解説しますね。
ラバーブの音符表記はサレガマで
Ustad Jaan(ホマユン先生の愛称)からは、こんな表記でならいました。
マザーリへ行こうなどポピュラーな民謡では、Saの位置がかわりますのでご注意ください。今回のは根っこの音(Sa)の位置が太い弦(Kata Tar)の1フレットになります。
よーするに根っこの音(Sa)は曲やモードによって移動するんです。
あれ?
ラバーブの調弦って太い弦からDGCじゃなかったっけ?と思うかもしれないですね
大丈夫です、英語表記だとややこしいかもなので、日本語表記もしるしますね。
アフガニスタンの民謡マザーリへ行こうなどは
根っこの音(トニック)が中弦(ミヤナタール)の解放なので
おやっ?と思うかもですが、
古典的なラバーブを習うにはまずは、このキーでやります。
根っこの音が、太い弦の1フレットになります。
伝統を受け継ぐということは
はじめに、お話ししたように
ラバーブを弾くことは、伝統的な方法じゃなくてもできます。
必ずしも、サレガマを知らなくてもチューニングさえできれば
だれでも簡単に夢のような音がだせるのが、ラバーブの魅力でもあります。
それでも、ラバーブには
ひとりの人間が作っただけではない、ながーい歴史に裏付けられた深ーい伝統があります。Ustad Jaanは彼のおじUstad Mohammed Omarからこのように音楽を習いました、なので私も微力ながら、このすばらしい人類の文化遺産を日本で認知されるように努力します。
ラバーブのRuはペルシャ語でروح魂、
スーフィズムとも密接につながるラバーブは、今を生きる私たちのこころにも深く響いてくれます。
参考資料Music of Central Asia vol. 3: Homayun Sakhi: The Art of the Afghan Rubâb