風の谷のナウシカの舞台【フンザ・ラバーブ】とパキスタンのスーフィ詩人の歌

こんにちはTokyo modal music labのウエダタカユキです
風の谷のナウシカの舞台ともいわれる
パキスタン北部フンザに伝わる民族楽器と民謡を実際にパキスタンに2回訪れた経験から深堀りしますね。ラバーブは
ショートネック系リュート楽器が古代から作られていたアフガニスタン周辺とされています。中世ヨーロッパに伝わった
こうした弦楽器はバイオリンやギターなどリュート系楽器のご先祖だと考えられます
私が訪れたパキスタンのアフガン国境の街ペシャワール博物館でみつけた1900年前のレリーフにはすでにショートネック型のリュートが描かれていました。

1世紀ガンダーラ地方のレリーフより

風の谷のナウシカのモデルともいわれるパキスタンのフンザは険しい山々に囲まれて近年まで、閉ざされた桃源郷みたいなところでした。ここにのこっているのがフンザ・ラバーブです。アフガン・ラバーブとフォルムが違ってまるっこいですね。

音楽的なモードも雰囲気もまた違ったフンザ・ラバーブの演奏をみてみましょう。

 

聴衆も情感たっぷりに
うたっているのが印象的ですね。
もしかして、エキゾチックな雰囲気というよりどこか懐かしいような響きの
この詩はパキスタン、中央アジアの誇るスーフィズムの詩人Allama Naseer ud-din-Hunzaiによりフンザの言語ブリシャスキー語で書かれたものです。私が訪れた際に現地の方に教えていただきました。

Shini bahar dimi sayam balatay la ass
Mayoon a qarish khaa

Sailar kay neyas bayosso naa joon dukharish khaa
春は、たくさんの花や果物とともに
人々にほんとうの叡智を伝えてくれる
そして人々に愛をつたえてくれる

長い冬がおわり、
春がきて、
自然の恵みとともに
人々に知恵を授ける

要約ですが、私が現地でおそわった意味はこんな感じでした。おなじラバーブでも、地方によってぜーんぜん雰囲気が違うので学びがいがありますよね。

ペルシャ文化圏の詩が美しい理由

フンザの言語、ブリシャスキー語をリサーチすると他のどの言語ともリンクしないとありましたがペルシャ語の単語ともすこし似ている感があります。

  • Bahar 春
  • Joon 愛

など、ペルシャ系の単語が確認できます
ペルシャ文化圏スーフィズムで有名なルーミー(ジャラール・ウッディーン・ルーミー)にみられるように優れた詩の文学を
古代からおおく産出している文化圏なので影響もあるのでしょう。

はなしを、フンザにもどしましょう。詩のなかにフルーツがでてきますがフンザはオーガニックのドライフルーツ産地としてとても有名です。日本にもフンザの食品を扱うお店がありわたしはこの会社の制作した
ドキュメンタリー映画のサウンドトラックを民族楽器ラバーブで担当しました。

 
サウンドトラックの音源を収めたアルバムKarakoram

フンザのスーフィ民謡の譜面はこちらから無料ダウンロードできます😌

 

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