朝聴くと至高の愛につつまれる?アフガニスタンの音楽

アフガニスタンというと
長く続く戦乱から危ないイメージを持ってしまうかもしれないですが、古代文明から続くながーい歴史に裏づけされたリッチな音楽文化をもっているのです。

今日はそんなアフガニスタンの音楽、
愛と敬虔さに満ちた、朝に聴くと効果的といわれる
音楽をご紹介しますね😌

インド古典楽器サーランギの名手Dhruba Ghoshの演奏

” Shamali lalezar bashad ba ma chi,  
Zemestanesh bahar bashad ba ma chi,
negarjan entezar bashad ba ma chi ” 

チューリップが咲いている、それは私にとって何が重要ですか?
ひどく寒い冬が春に変わったら、私にとって何が重要なのでしょう
最愛の人がそこに待っているままになっている、それは私にとって何が重要ですか?


“shamali laalazaar baashad ba maa chi”

朝に効果的なモードBairavi


この詩の演奏で使われているモード(旋法)はBairavi(バイラヴィ)
ですとDhruba さんも動画の中でいっておられます。

中東のマカーム音楽には
音楽療法として使われてきた経緯があり
一日のうちで効果的な時間帯をしめす資料を以前紹介しましたが

インド古典音楽にも
同じように時間帯によってモード(ラーガ)を
位置づけている資料がありましたのでご紹介しますね

匕ンドゥスターニー音楽を理解している人であれば、メロディーの女王であるラーグ・バイラヴィを知らない人はいないでしょう。柔らかい(Komal)音と、Khatke、Jhatke、Murkiyanといった心地よいタッチでの滑らかな表現は、聴衆を魅了します。愛と敬虔さに満ちた心地よい酔いしれた雰囲気が生まれ、人は至高の存在を身近に感じることができるのです。
ラーグ・バイラヴィは早朝のラーグですが、コンサートの締めくくりの曲としていつでも使われます。例えば、以下のような組み合わせがあります。

tanarang.com Raag Bhairavi

私はインド古典音楽の専門家ではないので
これ以上の深堀りはしませんが
ここで使われている音階は
西洋音楽モードの基礎にもなった
教会旋法のひとつでもある古代フリギア王国が由来とされる
Phrygian mode(フリギア旋法)にも共通するので興味深いですね😌

7つの変拍子でつながる古代ギリシャとアフガニスタン

さらにさらにDhruba さんが美しい旋律を奏でている側では
タブラ奏者が7拍子に基づく規則的なリズムを刻んでいたのにお気づきになられたでしょうか?

このような7拍子はアフガニスタンやインドだけではなく、遠くギリシャや東欧ブルガリアやマケドニア、トルコの民謡にもよく登場するリズムなのです。

アフガニスタンには古代ギリシャからのアレクサンダーの遠征軍が各地にギリシャ式都市を築きあげたので、音楽的にもやはり共通点が多いのにも納得ができます。

余談ですが、この地に根付いた神さまを彫刻化することに長けたギリシャ系の文化が世界ではじめて仏像を生み出し、ガンダーラ美術を発展させてはるかユーラシア大陸の東の果ての日本にも大きな影響を与えたのもまた事実です😌


以前わたしがかつてのパキスタンのガンダーラ地方を訪れた時にアフガン国境の町へ向かう途中にも7拍子の音楽がフツーにタクシーの中で流れていました。

というわけで今日はアフガニスタンの音楽をご紹介しました
言語はペルシャ語系の美しい詩
音楽的にはインドやギリシャの影響さえも感じられる
美しいアフガニスタンに一刻も早く平和が訪れることを祈ります。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です